新・美爪通信

 爪に関心のあるすべてのかたに贈る「爪の総合情報ブログ」です。巻き爪、陥入爪など、爪に関することなら何でもとりあげるだけでなく、時には寄り道をして、医学一般の話も加えて参ります。

爪を取り巻く環境の異常性(2) ー 爪に向けられるツメたい眼差し

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 一向に改善しない爪の惨状に耐えかねて、「ここはやはりきちんと治療を受けよう」と決心したとします。ですが、周囲の環境がそれを許してくれないことが往々にしてあります。

 実際、爪専門外来を受診される方から話を聞きますと、巻き爪や陥入爪の患者は、その苦しみを周囲になかなかわかってもらえずに苦労している様子が窺えます。


 歩くたび、いや、足の指を少しでも動かすたびに、錐(キリ)でもねじ込まれるような激痛が走る・・・。

 靴の内側に指先が当たるのが怖くて、へんてこな歩き方になってしまい、周りの人に

    「何? どうしたの? トイレなら早く行ってきなよ」

などと言われる・・・。

 間違えて柱の角などに爪先をぶつけてしまうと、全身から吹き出す汗・汗・汗・・・。

 ましてや、誰かに足を踏まれでもしようものなら、

    ギョエーーーー((˚Д˚))ーーーー!!!


 この地獄を誰にもわかってもらえない・・・。

 その無念さは、察するに余りあります。


 患者はこんなに辛い思いで毎日を過ごしているのです。

 それなのに、いまだに周囲の反応はと言えば、

    「何だ! タカが足のツメくらいのことで」

    「オオゲサなんだよ」

    「アマッタレンナ」

    「んなもん、ヨーチンでも塗っとけぃ!」

というくらいのものなのが現実なのです。残念なことに。

 巻き爪・陥入爪の痛み・苦しみは、もはや

    経験者にしかわからない

と言うべきでしょう。


 このブログをご覧の皆さんには、せめて、このような「爪に対するツメたい見方」だけはしないようにして戴きたいのです。

 こういった環境が、爪治療を遅らせたり、自己流の不適切な「処置」に追いやったりする大きな要因になっているからです。


 いったい、なぜ爪はこれほどまでに冷遇されているのでしょうか? そこには、一般の人が持っていると思われる「爪疾患に対する誤った認識」があるのです。


(続く)



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 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

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 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



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爪を取り巻く環境の異常性(1) ー 放置される陥入爪

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 現在のところ、爪というものは人体の中で非常に特殊な扱いを受けています。はっきり言えば

    虐待

です。体の他の部分であれば、痛んだり異常を感じたりすればすぐ対処してもらえるのに、こと爪に関してだけはあからさまに放置され、やむを得ず対応するにしてもことごとく不適切・不徹底な対応にとどまることが多いのです。

 これは明らかに

    異常

です。ですが、この「異常さ」をほとんど誰も意識していないのです。


 例えば、陥入爪の原因が深爪であって爪を伸ばしさえすれば治るということを説明しましたが、実際にそのように対応されている例は極めて少数です。

 実際に陥入爪になってしまうと、爪が伸びるほど痛みが増していくため、仕方なく爪の縁を切り取ってその場をしのいでいるのが大部分の現実なのです。本当は、爪を「肉に食い込まないようにしながら」伸ばす治療法があるのですが、なかなか普及せず、全国でも実施できる医療機関はまだまだ少ないのです。

 結局、爪の縁を切り取っていても根本的な解決にならないことを薄々わかっていながら、

    「痛みさえ我慢できればいい」

という感覚で放置している方が多いのです。


 ですが、陥入爪の害というのは「痛みだけ」でしょうか? 痛みさえしなければ放っておいていいものなのでしょうか?

    いいえ、そんなことはありません!!

 陥入爪はれっきとした「疾患」であり、きちんと「治療」すべきものであることは明らかです。

 陥入爪とは「爪が肉に食い込んで出血や痛みを起こしている状態」ですから、例えて言うなら、

    「指にナイフが刺さった状態」

とも言えます。

 皆さんならどうしますか?

 ナイフどころか、トゲだったとしてもすぐに抜こうとするはずです。なのに、爪の場合にはなぜ放置してしまえるのでしょうか?


 これはすなわち、爪に対する関心・意識が異常に低いことの現れなのです。


 では、私たちが自分の爪に対してもっと関心を寄せて、爪の病気を積極的に治療しようとすれば問題は解決するかと言えば、残念ながらそれだけでは不充分です。

 私たちが自分の爪に対して無関心であるのと同様もしくはそれ以上に、世間の人たちも爪に対して無関心だからです。


(続く)


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私自身のこと ー なぜ内科医が爪を治療するのか

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 私が爪治療に本格的に取り組み始めてから、もう5年以上になります。

 最初は

    「自分のできる範囲内だけで」

と思っていたのですが、次第にのめり込んでしまい、今ではほとんどの爪のトラブルに対処するようになったばかりか、爪についての総合情報ブログまで書くようになってしまいました。


 そうした中で患者さんから話を聞きますと、爪に対する世間一般の関心がまだまだ極端に低いことに気付かされます。そしてそれは、医療機関においても同様なのです。しかも、この状況は5年前からほとんど改善していません。

 実際、医学は各方面で著しく進歩しているのに、こと爪に関してはここ数年間全く進歩していないと言ってよいのです。

 なぜ爪医学は進歩しないのかと問われれば、やはり原因は

    「爪に対する関心の低さ」

にあると言わざるを得ません。


 医学の専門書でも、爪について書かれているページはごくわずかですし、書店を見て回っても、爪の美容の本なら結構あるのに、爪の「家庭医学書」などというものはまず見当たりません。

 情報の宝庫と言われるインターネットでさえ、爪に関する情報を見つけるのは困難で、しかもその中の大部分は間違っている有様です。

 こうした中で、爪のトラブルを抱えた人は長いこと情報不足のまま我慢を強いられてきていると言えるでしょう。

 私は爪の専門家ではありませんが、医師として、こういった現状を何とか打破したいと思っています。私がこれまで爪治療に取り組んできた中で得た情報を公開することで、その目的に少しでも近づきたいと願っているのです。

  ところで、表題にもあります通り、私は内科医です。専門は呼吸器内科と漢方医学です。そんな、科も専門も爪とはおよそ無関係な私が、なぜ爪医学に取り組むようになったのでしょうか。

 実際、患者さんからも他の医師からも「なぜ内科医なのに爪を治療するのか」と何度も聞かれてきました。当初は私も気の利いた答えができず、ジョージ・マロリー(*)にあやかって

    「なぜ爪を治療するのか? そこに爪があるからだ」


などと言ってみたりもしていましたが、最近になってようやく本来の理由がわかってきました。

 内科で診る機会の多い病気に糖尿病というものがありますが、この病気には「足のトラブルが多い」という特徴があります。そのため、糖尿病の患者さんの場合は内科でも足の問題に対応しなければなりません。そして、その中には足の爪に関する問題も結構あるのです。

 爪に興味を持ち始める前、私はそういった爪のトラブルにうまく対処できず、困った時には皮膚科にお願いするのが常でした。そんな時、糖尿病の講演会に出席する機会があり、そこで看護師によるフットケア(足の管理)についての発表があったのです。

 その発表では、巻き爪などで苦しんでいる患者さんに対して看護師が爪切りを施していることが紹介されていて、しかもそれがとても評判がよく、何ヶ月も先まで予約が埋まっているとのことでした。当時の私はそれに感銘を受け、「そんなに喜ばれるのなら、自分でも実行してみよう」と思ったのです。

 ですが、実際に爪切りをしてみると、確かにその時は痛みが消えて患者さんも喜ぶのですが、私はある疑問が頭に浮かんでなりませんでした。それは、

     「爪が伸びたら同じことではないのか?」


という疑問です。つまり、「爪を切ってもまた伸びれば痛くなるのは目に見えている。それで爪切りを繰り返して結局最後はどうなるのか? 死ぬまで爪切りを繰り返すのか? 果たしてそれでよいのか?」ということです。月日が経っても、この疑問は消えるどころか強まる一方でした。


 そこで私は、爪治療の第一人者である高田馬場病院整形外科の町田英一(まちだ・えいいち)先生の講習会に参加することにしました。考えてみれば、これが私が爪医学にのめり込む最大の転機になったのです。

 そこでは、巻き爪などで足が痛む場合に爪を切り込むのは本来の治癒から遠ざかる有害な行為でしかないことが力説されていて、私は長いこと抱えていた疑問が解けたと同時に、今まで患者さんに対して「有害な行為」をしてきたことへの懺悔の思いを禁じ得ませんでした。

 このようなわけで、私は内科でありながら爪の治療に積極的に取り組むようになったのです。そして、実際に取り組んでみますと、現在の爪医学には多くの問題が残っていることがわかってきました。しかも、それらは何年経っても一向に解決される気配がないのです。

 いったいどういう問題があるのか、そして、それらをどう解決していけばよいのか、それをこのブログで明らかにしていきたいと思っているのです。


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(*) : ジョージ・マロリー(1886-1924)はイギリスの登山家で、「なぜ山に登るのか」と聞かれて

         『Because it's there! (そこに山があるからだ)

という名言を残したことで有名です。



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陥入爪の治りを妨げるもの ー あなたは「鬼」か「地獄の番人」か?

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 陥入爪になった人の体験談などを読んでいると、よく次のような話が出てきます。

   「爪が伸びると肉に食い込んで痛くなるので、
その都度、病院に行って切ってもらう」(!)

   「痛くなるたびに自分で切っているけど、
ちっともよくならない」(!!)


 私は残念でなりません。また同時に、懺悔せずにはいられません。

 陥入爪を治すには「爪を指先まで伸ばすこと」が必要であることを説明しました。ところが、これらの方たちはまさにそれと逆のこと、つまり

   陥入爪の治りを妨げる行為

をしているのです!! しかも、自分でしているだけでなく、病院でも同じことが行われているのです!!

 実を言えば、以前、私も同じような「処置」を陥入爪患者に対して施行していたことがあります。それがとんでもない間違いであることも知らずに・・・。

 もう一度申します。

   私は懺悔しています。

 「無知」というのは恐ろしいことです。


 ここでもし、あなたが

   「どうしていけないの?」

とか

   「痛みが取れるんならいいじゃない」

とかお考えだとしたら、ここでもう一度強調しておかなければなりません。

   「爪を切る」という行為は、

陥入爪の治りを邪魔するもの

でしかないのです!!


 「痛くなるたびに自分でまたは病院で爪を切っている」というのは、まるで「賽(サイ)の河原」や「シシュフォスの神話」のように救いのない状態なのです。


 ここで、馴染みのない方のために、少々説明を加えましょう。

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「賽の河原」

 これは「地名」ですが、この世にあるところではありません。「三途の川」の河原、つまり地獄にある場所なのです。

 そこでは、死んだ子供たちがそれぞれの親を供養するために石の塔を作らされています。

 河原にある石を積み上げて塔を作るのですが、完成が近くなると決まって鬼がやってきて、跡形もなく壊してしまいます。

 それでも、子供たちは供養塔作りをやめさせてもらえません。

 しかたなく、また最初から作り始めるわけですが、何度作っても、完成しそうになると必ず鬼が来て壊してしまいます。

 ですから、何度でも永久に塔を作り続けなければならない、そこはそういう地獄なのです。



「シシュフォスの神話」

 「シシュフォス(Σίσυφος)」というのは、ギリシャ神話に登場するコリント国の王の名前です。

 シシュフォスは、生前の行いが悪かったためゼウスの怒りを買ってしまい、死後に地獄で刑罰を受けることになります。

 その刑罰とは、重い岩を山の頂上まで運ぶというものでした。シシュフォスは力を振り絞って岩を押し上げます。

 ところが、山の頂上には番人が待ち構えていて、シシュフォスが岩を押し上げてくると蹴り落としてしまいます。

 またシシュフォスが岩を押し上げてきても、頂上に届く寸前で必ず番人に蹴り落とされてしまいます。

 何度繰り返しても同じです。番人はそうするように命じられているのです。

 そういうわけで、シシュフォスは徒労と知りながらもひたすら岩を押し上げ続ける他にないのです。それも永遠に・・・。

 そこは、そういう地獄なのです。

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 さて、私が何を言いたいか、おわかりになりましたでしょうか?

 つまり、爪が指先まで伸びれば陥入爪が治るというのに、もう少しで爪が指先に達しようというところで切ってしまう・・・。この状況は何かに似ていると思いませんか?

 そうです。

   爪を「賽の河原」の子供やシシュフォスに例えるとしたら、

それを切ってしまうあなたや病院はサシヅメ

鬼や地獄の番人に例えることができるでしょう。


 爪が憐れだとはお思いになりませんか?


 もし、あなたが今、そのような状況に置かれているとしたら、ぜひとも当院にご相談されることをおすすめ致します。


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陥入爪の原因 ー 靴のせいではない?

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 巻き爪の原因について考えてきましたので、ここらで一度、陥入爪に話を移しましょう。


 陥入爪とは、

    「爪の縁が指の肉に食い込んで出血や痛みを起こしている状態」

と説明しました。

 では、陥入爪の原因は何でしょうか?

 よく言われるのは、

    「窮屈な靴(ギャグではない)により指が圧迫されるため」

という説明です。

 なるほど、一理あります。確かに指が圧迫されなければ陥入爪は起こりにくくなるでしょう。

 ですが、これは「真の原因」ではなく、

    「大きな誘因の一つ」

と言うべきものなのです。


 では、陥入爪の本当の根本的な原因とは何でしょうか?

 それは、

    深爪

つまり

    爪の切りすぎ

なのです!


 試しに考えてみてください。

 もし、爪が指の先端を越えて長く伸びていたとしたら、陥入爪は起こるでしょうか?

 いいえ、例え指を強く圧迫したとしても、例え巻き爪になっていたとしても、そう簡単に爪の縁が肉に食い込むことはないはずです。爪の縁は包丁みたいに「切れる」ものではないのですから。


 爪が肉に食い込むためには、

    爪の縁がカミソリのように鋭くなっている

か、または

    爪の角が肉に突き刺さっている

かのどちらかの状況がなければならないのです。

 「爪の縁が刃物のように鋭くなる」ことは普通は起こりませんので、残る可能性としては、「爪の角が肉に突き刺さる」ことしかありません。

 そうなると、爪の角が肉に突き刺さるためには爪の角が指の先端よりも手前に位置していなければなりません。なぜなら、爪の角が指先よりも先にあったら、爪がUターンでもしない限り肉に刺さることはあり得ないからです。

 では、「爪の角が指先よりも手前に位置している状態」とはどういうことかと考えれば、それは「爪を短く切りすぎた状態」、すなわち

    「深爪」

に他なりません。

 つまり、陥入爪が発生するためには深爪をしている状態になければならないのです。

 深爪をして、爪の角が肉にすっぽり包まれた状態の時に指を圧迫されるから、爪が食い込んで陥入爪になるのです。

 そして、もし、肉に包まれた爪の角が「角張って」いたり「尖って」いたりしたらどうでしょうか? 爪が日々伸びて行くのですから、肉に突き刺さるのは当たり前だとお思いになりませんか?


 これで、深爪が陥入爪の一番根本的な原因であることがおわかりになったでしょう。

 逆に言えば、

    爪を伸ばして指先から出してしまえば、

陥入爪は治り、再発も防げる

ことになるのです。


 現在の最先端の陥入爪治療も、これを目指したものとなっているのです。


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「歩いているのに巻き爪になった!」 ー ハイヒールからの反論

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 巻き爪の真の原因は

   歩かなすぎ・使わなすぎ

であることを説明しました。

 ここで、皆さんからは次のような反論が出てくるのではないでしょうか?

   「私は沢山歩いているのに巻き爪になった! これは矛盾ではないのか?」


 ですが、矛盾ではないのです。なぜなら、大切なのは

   「足の指に圧迫力がかかること」

であり、ただ歩きさえすればいいというものではないからです。


 人並み以上に歩いているのに巻き爪になってしまった人の話を聞きますと、次のような共通点があることに気付きます。

   ○ ハイヒール、ミュール、パンプスといった「先細の」おしゃれ靴をよく履いている。

   ○ 足の指の付け根、特に親指から中指にかけての付け根に痛みがある。

   ○ 足の親指に体重をかけると痛いので、あまり体重をかけないようにして歩いている。

   ○ 外反母趾がある。


 いかがでしょうか? あなたにも当てはまりませんか?

 このような場合は、たとえ歩いていても巻き爪を防ぐことにつながらないのです。なぜか? 話を先に進めましょう。


 まず、ハイヒール・ミュール・パンプスといったいわゆる「おしゃれ靴」は本来、

   歩くための靴ではありません。

 これらの靴は

   足を美しく飾るための靴

なのであって、歩くのに適した造りにはなっていないのです。

 これらの靴を履いていると指先が窮屈になるため、「指で地面を踏みしめる」ことができません。

 特にハイヒールなどは指の付け根で体重を支えるようになっているため、なおさら指先に力を加えにくくなっています。

 ですから、こういった靴を履いていくら歩いたとしても、指の腹に圧迫力が加わらないため、「爪を平たくする力」も生じようがありません。これでは巻き爪を防ぐことはできないのです。

 また、「足の指の付け根が痛む」というのは、つまりそこに体重がかかっていることによるものであり、指先には体重がろくにかかっていないことになるので、やはり巻き爪を防止することはできません。

 「指先に体重をかけないようにしている」などというのは、まさに巻き爪を進むに任せている状態と言えます。もっとも、そういう状態はもうすでに巻き爪がかなり進行しているのでしょう。

 外反母趾というのも問題で、外反母趾になると親指が横に寝てしまったり隣の指の上に乗っかってしまったりして、「親指に体重をかける」ことができなくなります。すると、当然「爪を平たくする力」も加わらなくなるわけで、いくら歩いても巻き爪を防ぐ効果は期待できないことになるのです。


 「歩いているのに巻き爪になった!」というのが、全く不合理でないことがおわかりになりましたでしょうか?

 巻き爪にならないためには、ただ歩いてさえいればいいのではなく、

   足の指にしっかり体重をかけて

歩かなければならないわけです。


 そのためには、靴にも充分に気を配って「歩きやすい靴」を使うことが大切なのです。



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巻き爪の原因 ー ほとんどの人は間違えている?

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 巻き爪とは「過彎曲爪」、つまり

   爪が過度に丸く変形している状態

のことであると説明しました。

 では、その巻き爪はどうして起こるのでしょうか?


 巻き爪の原因については、幾つもの説が唱えられています。例えば、

   ○ きつい靴を履いて爪が圧迫されたため(?)

   ○ 歩きすぎて爪に負担がかかったため(?)

   ○ 爪を伸ばし過ぎたため(?)

などなど・・・。

 ですが、はっきり申し上げて、

   これらは全て間違いです!


 ひどい巻き爪は、むしろ「あまり歩かない人」に多いのです。

 現実に、寝たきりで全く歩きもしなければ靴も履かない人は、ほぼ例外なく巻き爪になっています。それに、巻き爪を気にしてか、爪を短く切り過ぎている人も結構多いのです。

 この事実から考えれば、上に挙げた説がどれも全く正しくないことは明白です。


 では、巻き爪の本当の原因とは何なのでしょうか?

 それは、実は

   歩かな過ぎ・使わな過ぎ

なのです!


 爪には元々、「丸まっていく性質」があるのです。ですから、普通に爪が生えれば丸く変形するのは当たり前なのです。

 それがそうならないのは、私たちが日常生活の中で「爪の丸まっていく性質」を打ち消す力を爪に加えているからに他ならないのです。その力は何から生じるかと言えば、それは

   指の腹にかかる圧迫力

です。

 指の腹に圧迫が加わると、指の肉は逃げて背中の方へ移動しようとします。ところが、指の背中には爪があるため肉は逃げられず、爪の両縁を押し上げようとします。その力が「爪を平たくする力」となり、「爪の丸まっていく性質」を打ち消しているのです。

 では、指の腹に圧迫が加わるのはどんなときでしょうか?

 そうです。

   歩くとき

です。手の場合なら、「物を強くつかむとき」ということになるでしょう。

 ですから、歩かなかったり、歩いていても指先に圧迫力が加わらないような歩き方をしていると、爪は丸く変形して巻き爪になってしまうのです。

 巻き爪にならないためには、指先でしっかり地面を踏みしめて歩くことが大切なのです。


 ただ、すでに巻き爪になってしまっている方は、歩くと痛みが増したり巻き爪がかえって進んでしまったりすることがあるので、注意しなければなりません。

 そういう方は、まず最初に巻き爪の治療を受けることから始めなければならないのです。


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「巻き爪」とは? 「陥入爪(カンニュウソウ)」とは? ー あなたは混同していませんか?

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 あなたは

   「巻き爪」

とか

   「陥入爪」

とかいう言葉をご存じですか?


 このブログに関心をお持ちの方であれば、きっとどこかでお聞きになったことがあるでしょう。

 では、それぞれどのようなものか説明できますか?

 こう聞くと、おそらく

   「あれ? どっちも同じなんじゃないの?」

と思う方が少なくないだろうと思います。

 実際、この「巻き爪」と「陥入爪」はとても混同されやすく、医師でさえ「同じもの」と考えている人がいるくらいなのです。

 ですが、

   この2つは完全に別物

です。まず、ここをしっかり押さえておきましょう。


 「巻き爪」は正式には

   「過彎曲爪(カワンキョクソウ)」

と言い、爪が異常に丸く変形している状態を指します。爪は正常でも丸く彎曲しているものですが、その程度が著しいものを「巻き爪」と呼ぶわけです。中には、爪の縁(ヘリ)が指の肉を圧迫したり挟み込んでしまっているものもあり、ひどいものでは、まるでロールケーキの切り口みたいに渦巻き状になっているものさえあります。

 ですが、「巻き爪」は爪の変形を言っているだけなので、爪が肉に食い込んでいるとか、出血や痛みがあるとかいうことは問いません。


 一方、「陥入爪」は別名として

   
「刺し爪」


とも呼ばれ、爪の縁が指の肉に食い込んで出血や痛みを引き起こしている状態を指します。爪の変形の有無は問いません。ですから、たとえ爪が真っ平らでも出血や痛みを伴っていれば「陥入爪」と言えるのです。


 この2つは同時に起こる(合併する)こともよくあります。その場合には症状も激しく、治療も難しくなります。

 ですが、心配は要りません。現在の最先端の技術を用いれば

   
ほとんどの「巻き爪」・「陥入爪」は
 手術なしで解決できる

のです。

 ただ、残念なことに、現在のところ大部分の爪治療には保険がききませんので、自費になってしまって費用が高くなる難点があります。

 ですが、現時点では保険診療でできる「治療」は必ずしも適切とは言えず、不用意に受けてしまうと、爪が変形してしまったり、痛みが長引いたりして日常生活に支障をきたすことになりかねず、結局は「損」になってしまいやすいのです。


 もし、あなたが「巻き爪」・「陥入爪」でお困りでしたら、決して安易に手術を受けたりなさらず、ぜひとも、しかるべき医療機関に相談するようにしてください。

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爪の強さの秘密(3) ー 形態

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 爪は硬くて柔軟性もあり、しかも「裂く力」にも強いということがわかりました。

 ですが、実はこれだけではまだ爪の役割を果たすのに充分とは言えないのです。

 爪は薄い板状ですので、力を加えた際に割れたり裂けたりしなくても、

   曲がったり反ったりしてしまう

可能性があるからです。実際、もし爪で何かを引っ掻いたりほじくったりしようとしたときに爪が簡単に反り曲がってしまったらどうでしょうか? これでは不便で仕方がありません。

 ですから、爪には「曲げる力」に対しても抵抗できる性質が備わっているのです。それは

   爪の形態

です。


 一般に、薄い板状の素材があったとき、これが曲がりにくいようにするとしたら、次のように加工するのが有効と考えられます。

「曲げ」に強い形態




















 具体的には、

   1.山折りにする

   2.両端を折り曲げる

   3.筒状にする

   4.ジグザグにする

   5.波板状にする

   6.丸く彎曲させる

などの方法が候補に挙がるわけです。

 ですが、これらのうち、爪に適用可能なものと言ったら、6.の「丸く彎曲させる」方法以外に考えられません。
実際に想像してみれば、他の1.~5.の形がいかに爪の形態として不適切かよくわかることでしょう。

 爪が指の表面に沿って丸く彎曲しているのには、このように

   曲がったり反ったりしにくくする

という意味合いがあったわけなのです。


 このように、爪はその材質・構造・形態の全てが実に合目的的にできていることがわかります。これらが相俟って、爪の強さが成り立っているのです。

 これは、まさに「造化の妙」と呼ぶに値するのではないでしょうか。


(この項終わり)

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 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

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                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



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爪の強さの秘密(2) ー 構造

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 爪は硬くて柔軟性も兼ね備えているという話をしましたが、爪の強さはまだこれだけでは説明しきれません。

 爪は薄い板状なので、均一な構造では引っ掻いたりしたらすぐに欠けてしまいます。それを防ぐために、爪を形成している「ケラチン」は繊維状になって爪の中を縦方向に走っています。それにより、「曲げる力」に対して強くなっているのです。

 ちょうど FRP(Fiber Reinforced Plastics : 繊維強化プラスチック) のようになっているわけです。

 ですが、それだけでは「裂けるチーズ」のように縦に裂けやすくなってしまい、爪の先に少し亀裂が入っただけですぐに根元まで裂け目が進んでしまうでしょう(図1)。

ケラチンの繊維構造




















これではたまりません。

 そのため、爪には層の中間に繊維が横に走っている層が挟まっていて、「裂く力」に対しても強くなっているのです。

 つまり、爪は

   「縦・横・縦」の3層構造

になっているわけで、例えるならベニヤ合板のようなつくりになっているのです(図2)。

爪の3層構造




















だからこそ、酷使にも耐えられるのです。


 ですが、こういう層構造をしているため、爪には「層状に剥がれやすい」という弱点もあるわけなのです。

 「二枚爪」とか「三枚爪」と呼ばれるのは、この層状剥離現象のことなのです。

(続く)


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プロフィール

宮田 篤志(みやた・あつし)

 神奈川県平塚市の病院に勤めている勤務医です。
 内科医でありながら、爪の医療にのめり込み、爪専門外来を開いています。巻き爪、陥入爪など、爪のことなら何でもご相談ください。