新・美爪通信

 爪に関心のあるすべてのかたに贈る「爪の総合情報ブログ」です。巻き爪、陥入爪など、爪に関することなら何でもとりあげるだけでなく、時には寄り道をして、医学一般の話も加えて参ります。

爪の強さの秘密(1) ー 成分

このエントリーをはてなブックマークに追加
 爪は指先を守る働きをするのみならず、引っ掻いたりほじくったりといった酷使にも耐えられるだけの強さを持っています。この爪の「強さ」はどこからきているのでしょうか。

 爪は人体の中で歯と骨に次いで硬い部分です。

 そのためか、

   爪は骨と同じくカルシウムでできている

と思っている方が多いようですが、違います。

 爪にもカルシウムが含まれてはいますが、ごくわずかで、歯や骨とは比べものになりません。

 実は、爪は皮膚から造られるもので、

  髪の毛と同じ「ケラチン」という蛋白質でできている

のです。

 この「ケラチン」というのは蛋白質の中でもとても丈夫な物質であり、爪の硬さもここからきているのです。

 ウシやシカの角(ツノ)もこの「ケラチン」でできている、と言えば、どれだけ硬いかおわかりになるでしょう。現に、印材として使われるオランダ水牛の角などを見ると、色といい質感といい爪に非常によく似ています。


 では、その爪の硬さは一体どれくらいなのでしょうか?

 固体の硬さ(硬度)を測る指標としては、モース硬度計(下表)が有名です。

美爪通信02















 このモース硬度計では、爪の硬度は2.5に当たります。

 つまり、爪は石膏や岩塩よりも硬いということです。実際、岩塩で試してみると爪でも充分に傷が付けられることがわかります。

 でも、ただ硬いだけでは骨のように折れたり砕けたりして、強い衝撃には耐えられません。

 その点、「ケラチン」は髪の毛のようなしなやかさも併せ持っていますから、割れたりひびが入ったりしにくいのです。

 このように、爪の成分である「ケラチン」は

   硬度と柔軟性を兼ね備えた

まさに爪にうってつけの材質なのです。

(続く)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

爪のことを真面目に考えましょう。

このエントリーをはてなブックマークに追加
 さて、皆さんはここまでお読みになってどのような感想をお持ちになりましたか?

 私が想像するには、おそらく次のような感想ではないでしょうか。

   「何だ、当たり前のことをくどくどと・・・」

   「何が『黄金原則』だ、オオゲサな・・・」

 どうでしょうか? 多かれ少なかれ、似たような感想をお持ちの方が多いのではないかと思います。

 ですが、失礼ながら上に挙げたような感想を持たれた方は、爪に対する認識が不足している可能性が高いのです。なぜなら、これまで述べてきたことは決して「当たり前」でも「オオゲサ」でもないからです。


 残念ながら、現在のところ、爪に対する一般の人の関心は恐ろしく低く、

   「爪なんか、ただの飾りじゃねぇか」

   「切るのが面倒くせぇから、ねぇ方がセイセイすらぁ」

などと言って憚らない人までいるくらいなのです。

 そういう人の意識の中では「爪の存在意義」などないに等しく、爪の病気になっても「爪の本来の役割」などに想いを巡らすこともなく、ただ

   痛みさえ取れればいい

といった態度で臨むことになりがちなのです。

 現在、様々な「爪治療」が行われていますが、その中に爪の役割をいたずらに損ねるような不適切としか言いようのない「治療法」が少なからずあるのみならず、大手を振ってまかり通っているのは、上に挙げたような「爪に対する意識が希薄な」人たちが多いからとも言えるのです。

 私は、この現状を何とか打破したいと願っています。

 そのためには、まず、「優れた爪治療とは何か」ということをはっきりさせておく必要があると思うのです。

 『爪医学の黄金原則』と、一見大袈裟とも思える名前をつけたのも、それが爪治療の基本だからです。そして、この原則からかけ離れた「治療」が当たり前のように行われている現実があるからなのです。


 このブログを読んでくださっている皆さんには、ぜひとも爪に対して真面目に考え、適切な爪治療を選ぶための知識を身につけていって戴きたいと思っています。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

『爪医学の黄金原則』

このエントリーをはてなブックマークに追加
 ここまでの話で、爪というものが何のためにあるのか、また、役立っているのかが大体おわかりになったことでしょう。

 ただ、皆さんの中には、

   そんなリクツなんかより、早く巻き爪や陥入爪の話に入れ!」

と思っている方もいらっしゃるかも知れません。

 ですが、私がここまでくどくどと「爪の存在意義」について説明してきたのには、それだけの理由があるのです。


 なぜ、「爪の存在意義」がそれだけ重要なのか ー それは、

   爪治療の目標となるものだから

です。


 医学では、ヒトの臓器・器官に起こる様々な病気について学ぶわけですが、その前に必ず、「正常な状態」について学ばなければなりません。なぜなら、

   正常な状態がわかっていなければ、何がどう異常なのかわかるわけがないから

です。そしてもう一つ、「正常な状態」をしっかり学ぶ理由は、

   それが「治療の目標」となるから

なのです。


 例えば、脚を骨折したとします。その場合、治療の目標は何でしょうか? 出血や痛みが治まればそれでいいでしょうか? いいえ、そうは行きません。

 脚の骨折を「治療」したというからには、その脚が本来持っていた役割(つまり、存在意義)を充分に果たせる状態にまで持って行かなければなりません。「傷は治ったけれど歩けません」では話にならないのです。

 ですから、骨折の「治療」を評価するためには、どうしても「脚の役割」をしっかり理解していなければならないのです。「脚の役割」をどの程度完全に復元させられるかによって、「治療」の優劣が判断されるのです。


 爪医学でも同じことが言えます。

 つまり、

   「爪の役割をどの程度温存できるかによって、治療の優劣が評価される」

ということです。


 前回までの記事で、爪の役割と、それを保つための条件についてはくどいほど説明してきました。まとめて言えば、爪の役割を保つためには

  爪の「長さ」と「幅」とが充分にあること

が必要だということです。


 以上のことから、極めて重要な爪医学の原則が導き出されます。それは、

  「爪治療においては、爪の長さと幅とを保つ、または回復させることを最優先とすべきである」(爪医学の黄金原則)

ということです。この原則は、いろいろな爪治療法を比較検討する上で、真っ先に考慮しなければならない指標となるものであり、これから外れている治療法は「劣っている」と判断できるのです。

 この原則は爪治療の第一の基本ですので、『爪医学の黄金原則』と名付けて、これからもたびたび引用することにします。ここで、ぜひとも記憶にとどめて戴きたいと思います。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

爪の存在意義(5) ー 指先の軟部組織の固定(後編) ー 図解とまとめ

このエントリーをはてなブックマークに追加

 これまで2回にわたって、爪の最も重要な存在意義と言える

  『指先の肉を逃がさぬように固定することにより、

強い圧迫力に耐えられるようにする』



という役割について説明してきましたが、どうでしょうか? おわかり戴けたでしょうか?

 おそらく、文章だけではなかなか感覚がつかみづらかったのではないかと思います。

 そこで、理解の助けとするために、今まで説明してきたことを図でもう一度解説してみましょう。


 まず、下の図1に指の構造を示します。これは、爪がない部分の指を輪切りにした図と考えてください。

指の構造






















 このように、指は「硬い骨の周りに、軟らかい皮下組織が巻き付いたつくり」と考えられます。

 では、この指に硬い鉛筆を押しつけるとどうなるかを図2で表します。

爪がない場合





















 すると、図の通り、指の肉(軟部組織)は軟らかいため、鉛筆に押されると骨の両側へ逃げてしまいます。すると、骨と鉛筆とに挟まれたごく狭い範囲の肉だけに圧迫力が集中してかかる結果となり、痛みを感じることとなるのです。

 それでは、もし、爪があればどういうことになるか、図3で表してみましょう。

爪がある場合





















 すると、図の通り、爪が指の肉の「抑え」として働くので、鉛筆を押しつけても肉はあまり逃げることがなく、クッションのように作用するので、強い圧迫力を加えても痛みを感じずに済むというわけです。

 いかがでしょうか?

 爪の果たしている役割が感覚的につかめたのではないでしょうか。


 人が指先で強く物をつかんだり、足先で強く地面を踏みしめたりできるのも、実は爪があるおかげでもあるのです。私たちは、もっと爪のありがたみをよく認識しなければなりません。


 ただ、ここでも、「どんな爪でもありさえすればいい」というわけにはいかないことに注意する必要があります。

 これまでも繰り返し述べたことですが、この爪の役割においても、爪の「長さ」と「幅」とが充分に保たれていなければならないことはおわかりになるでしょう。そうでなければ、指の肉が逃げるのを防ぐことができないからです。

 つまり、ここでも

   『スコップの原理』が当てはまっている

というわけです。


 爪にとっての、「長さ」と「幅」が保たれていることの重要性は、いくら強調しても足りないくらいなのです。(この項終わり)



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

爪の存在意義(4) ー 指先の軟部組織の固定(中編) ー 圧迫による軟部組織の変形を防ぐ

このエントリーをはてなブックマークに追加
 指は「硬い骨の周りに軟らかい肉(軟部組織)が巻き付いている構造」と説明しました。

 では、その指の腹に鉛筆のような硬い棒を押しつけたら、どうなるでしょうか。

 指の肉は軟らかくて変形しやすいですので、圧迫されれば押しのけられて両側へ逃げてしまいます。そうなると、骨の真下にある肉だけが逃げ切れずに押し潰されることになります。骨と鉛筆とに挟まれた、ごく狭い範囲の肉に集中して力が加わることになるのです。

 そうなれば、当然痛いでしょうし、圧迫力が限度を超えれば内出血さえ起こしてしまいかねません。竹輪の例で言えば、鉛筆を押しつけた部分の竹輪が押し潰されて崩れてしまうことになります。

 ところが、ここで指の背中側に爪という「抑え」があったらどうでしょうか。

 この状態であれば、指の腹に圧迫力がかかっても、指の肉は爪という「抑え」に阻まれてあまり逃げられなくなります。そのため、より多くの肉で圧迫力を受け止めることになり、力が分散されて楽になるのです。竹輪の例で言えば、棒に刺した竹輪をすっぽりと竹筒で覆い、その一部に窓を開けてそこに鉛筆を押しつける状況に当たります。これであれば、少なくともむき出し状態の竹輪に比べて、より強い圧迫に耐えることができるでしょう。


 ここで、皆さんには、ぜひとも実験をしてみて戴きたいと思います。

 まず、指の中ほど(爪がないところ)に鉛筆を当てて、強く押しつけてみてください。おそらく、すぐに痛くなるでしょう。

 では次に、指先(爪があるところ)に同じように鉛筆を押しつけてみてください。今度は力一杯押しつけても、あまり痛くないのではないでしょうか。そして、その時の爪を見ると、力が加わっている部分の爪が真っ白になっているのに気がつくでしょう。爪によって肉が抑え込まれて、中から血が絞り出されているから白く見えるわけです。


 このように、爪は指先の肉を逃がさぬように固定することにより、強い圧迫力に耐えられるようにするという重要な役割を果たしているのです。

 ですから、私たちは、爪がなければ指圧もロック・クライミングもできなくなり、足の踏ん張りが利かなくなるので、まともに走ることもできなくなってしまうでしょう。(続く)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

爪の存在意義(3) ー 指先の軟部組織の固定(前編) ー 指の構造

このエントリーをはてなブックマークに追加
 いよいよ、残るは3番目にして最も重要な爪の存在意義である、

  指先で物をつかめるようにする役割

です。この役割については一言ではなかなかうまく言えないので、誤解を招きやすいと思います。より誤解のないように言えば、

  指先に強い圧迫力がかけられるようにする役割

となります。つまり、手の指なら「物を指先で強くつかめるようにする役割」であり、足の指なら「足の指先で床を強く踏みしめられるようにする役割」ということになります。

 皆さんは、「いったい、これがなぜ爪の役割なのか」と疑問に思われることでしょう。ですが、実は爪は「指先に強い圧迫力をかけられるようにする」ためになくてはならない働きをしているのです。それは、題名にも挙げました通り、

  指先の軟部組織(筋肉や皮下組織などの軟らかい肉の部分)が動かないように固定する働き

です。この働きがないと、指先は強い圧迫力に耐えられなくなるのです。


 この第3の爪の役割は、第1・2の役割と違ってわかりにくいことでしょう。そこで、わかりやすく説明するために、ひとまず脱線して、指の構造についてお話ししておこうと思います。


 指というものは、簡単に言えば「硬い骨のまわりに筋肉や皮下組織といった軟らかい肉が巻き付いている構造」をしています。例えるなら、「フランクソーセージに串を刺した状態」か「竹輪(ちくわ)に棒を通した状態」のようなものです。そして、指を動かす筋肉は指の骨にくっついています。つまり、指は

  骨が動かされることによって動く

わけで、指の肉は骨にくっついて動いているに過ぎないのです。先ほどの竹輪の例で言えば、「棒に竹輪を刺して動かす」ようなものです。


 ここで、本題に戻って「指で物をつかむ」ことを想定してみましょう。

 例えば、硬い鉛筆のようなものを指でつかむとしたら、どのようなことが起こるでしょうか。

 見た目には、指の肉が鉛筆をつかんでいるように見えます。ですが、指の肉は単に骨にくっついて動いているだけですので、実際につかむ力は骨にかかっていることになります。

 そうなると、指の肉は鉛筆と骨との間に挟まれて押し潰される形となります。例えるなら、「棒に刺した竹輪を鉛筆に押しつける」状態となるわけです。

 その状態で、加える力を強くしていったらどうなるでしょうか? ここで、皆さんには一度考えて戴きたいと思います。(続く)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

爪の存在意義(2) ー 指先の装飾

このエントリーをはてなブックマークに追加
 爪の果たしている役割の2番目は、「指先を飾る」ことです。

 これは、純粋にヒトの健康についてだけ考えるなら、絶対に必要な役割とは言えないかも知れません。特に、男にとってはむしろほとんど気にならないことが多いでしょう。

 ですが、無人島で暮らすならいざ知らず、社会の中で生活していくのですから、女性はもちろん、男性であっても己の外観に無頓着でいるのは許されません。

 その点で、指先は顔ほどではありませんが人目に触れやすい部分であり、装飾の対象として重要であるのは間違いないでしょう。だからこそ、爪を磨いたり着色したりといった「爪美容」が盛んに行われているわけです。

 爪は、このように指先に装飾を施す場として役立っているのです。

 ですが、ここでも「どんな爪でもありさえすればいい」というわけにいかないのはもちろんのことです。

 爪美容関係の本を見ますと、みな一様に爪を「長く」かつ「広く」見せるための技巧を紹介しています。付け爪や「甘皮処理」なども、言ってみれば爪をより長く見せるための方法なのです。なぜ、このように爪を「長く」「広く」見せようとしているのかと言えば、それは

  その方が美しいから

に決まっています。

 つまり、この「指先の装飾」という役割においても、爪の「長さ」と「幅」は極めて重要であるわけで、このことは前に挙げた「指先の保護」の役割とも共通しています。言い換えれば、ここでも

  『スコップの原理』が当てはまる

ということになるわけです。(続く)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

『スコップの原理』 ー 爪にとって重要なこと

このエントリーをはてなブックマークに追加
 ここで、爪にとって極めて大事な原理を挙げておきたいと思います。名付けて『スコップの原理』です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
『スコップの原理』

  スコップと同様に、爪はその長さと幅とが保たれていることが最も重要である。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 ある日、久しぶりにスコップを取り出してみたら、へりがひん曲がったり錆びてざらついていたりしていたので、金物屋に修理に出すことにしました。

 しばらくして、修理が終わったとのことで受け取ってみると、なるほどへりはまっすぐできれいになっていますが、修理前と比べて明らかに長さも幅も小さくなっています。これでは深く掘れませんし、一度に掘れる幅も狭いので、非効率的なことこの上ありません。

 これはどういうことかと金物屋に問いただしたら、

  「ハイ、へりの傷んでいたところを切り落としておきました!」

  「・・・!!」

 どうでしょうか? 「ふざけるな」と思いませんか?

 きっと、大部分の方は「こんなことなら修理になんか出さなきゃよかった」と思うのではないでしょうか。

 この金物屋は「スコップにとって何が重要か」がさっぱりわかっていません。確かにへりが滑らかで美しいこともいいことには違いありませんが、それよりも、スコップは先端部分の「長さ」と「幅」が充分になければ使いものにならないのです。それを無視して、へりを安易に切り落とすのは本末転倒、まさに「角(ツノ)を矯(タ)めて牛を殺す」的な愚行と言う他にありません。

 スコップなら、新しいのを買えばそれで済みます。ですが、もしあなたの爪で同じようなことが行われたらどうでしょうか。長さはともかく、幅は一旦狭くしてしまうと、もう元に戻すことはできません。あなたはその不便な爪のまま一生暮らしていかなければならなくなるのです。悲惨だと思いませんか?

 爪の本来の役割を損なわないためには、その「長さ」と「幅」とを保つことを最も重視すべきなのです。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

爪の存在意義(1) ー 指先の保護

このエントリーをはてなブックマークに追加

 まず、第1の「1.指先を保護する役割」についてです。

 指先は、ぶつかったり、こすれたり、圧迫されたりといった外力に最もさらされやすいところです。ですから、もし指先の皮膚が、他の部分と同じ厚さ・強さだったとしたら、真っ先にすり切れたり破けたりして傷になってしまうでしょう。

 それを防ぐためには、踵(カカト)のようにあらかじめ皮膚を分厚くしておくという方法も考えられますが、指先の皮膚は決してそうなっていません。なぜなら、指先の鋭い感覚や巧みな動作のためには、薄くしなやかな皮膚で覆われている必要があるからです。

 では、指先の感覚・操作性能を保ったままで、外力から守るためにはどうすればいいでしょうか。

 爪は、この問題をうまく解決できる優れた「装備」なのです。

 例えて言うなら、爪は外力から指先を守る盾のようなものなのです。この爪があることによって、指先を傷から守ると同時に、指の機能も充分に果たすことができるようになっているわけです。

 ただ、ここでとても重要なことがあります。それは、

  どんな爪でもいいというわけではない

ということです。

 つまり、爪が「指先の保護」の役割を果たすためには条件があるということです。その条件とは、

  A.指先に達するだけの長さがあること

  B.指先の大部分を覆うだけの幅があること

の2つです。

 爪が短すぎて指先まで達していなければ、当然、指先は無防備となります。また、爪の幅が狭くては指先を充分に守ることができません。

 考えてみれば当たり前のようなことですが、これが意外と忘れられがちなのです。そして、このA.、B.の2つの条件は、爪の医学を考える上でも絶対に外すことのできない、極めて重要なものなのです。

 これから話が進んでいけば、おそらくあなたにも、その重要性がわかって戴けることと思います。(続く)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ

爪は何のためにあるのか ー あなたはどう思いますか?

このエントリーをはてなブックマークに追加
 このブログをご覧になっているあなたは、おそらく、爪に並々ならぬ関心を持っていらっしゃることと思います。

 では、これまであなたは爪について深く考えたことがありますでしょうか?

 まず根本的なこととして、爪は何のためにあるのでしょうか? 言い換えれば、

  爪の存在意義

です。改めて問われると、少々考えてしまうところかも知れません。

 これがライオンやトラのような肉食獣だったり、ワシやフクロウのような猛禽(モウキン)だったりしたら、「獲物を獲るため」でしょう。ネコだったら、さらに「木に登るため」というのも加わるでしょう。

 では、ヒトについてはどうかと聞かれたら、あなたはどう答えますか?

 私が以前受けた爪治療の講習会(爪治療の第一人者であられる、町田 英一先生(高田馬場病院・整形外科)の講習会でした)では、ある医学生が同様のことを聞かれて、

  「爪がないとノドが渇く。なぜなら缶ジュースが開けられないから」

と答えたという話が紹介されていました。「ならペットボトルでも飲め」といったツッコミはさておき、もちろん、爪にはもっと大事な役割があるのは明らかです。

 私たちヒトにとっての爪の存在意義・役割とは何か、私が考えるに、重要なものは次の3つに絞ることができるでしょう。


1.指先を保護する

  指先は衝撃が加わりやすいため、指先が傷つかないように爪が守っているのです。


2.指先を飾る

  これは、主に女性にとって重要な役割と言えます。爪が指先を美しく粧うために役立っているのです。


3.指先で物をつかめるようにする

  この役割は、一見「これが爪の役割なのか?」と疑問に思われることでしょうが、実は爪がないと指先に強い力を加えることができないのです。(これについては、後で詳しく説明します。)



 考えた順番は上に挙げた通りですが、重要性から言えば3.が最も重要で、次が1.2.の順となります。これらの爪の役割とその重要性については、さらに説明が必要ですので、次回以降で話を進めていくことにしましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 爪専門外来について診療・相談ご希望の方は、どうぞ下記のホームページをご参照の上、電話にてお問い合わせください。

  医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル ホームページ: http://www.fureai-g.or.jp/fhh/

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 また、私個人へのメールによる問い合わせにも対応致しますので、ご希望の方は下記メールアドレス宛にご送信ください。ただし、職務の都合上、返信に日数を要することがありますので、ご諒承ください。

                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
                             メールアドレス: miyataatsushi@livedoor.com



人気ブログランキングへ
プロフィール

宮田 篤志(みやた・あつし)

 神奈川県平塚市の病院に勤めている勤務医です。
 内科医でありながら、爪の医療にのめり込み、爪専門外来を開いています。巻き爪、陥入爪など、爪のことなら何でもご相談ください。