いよいよ、残るは3番目にして最も重要な爪の存在意義である、

  指先で物をつかめるようにする役割

です。この役割については一言ではなかなかうまく言えないので、誤解を招きやすいと思います。より誤解のないように言えば、

  指先に強い圧迫力がかけられるようにする役割

となります。つまり、手の指なら「物を指先で強くつかめるようにする役割」であり、足の指なら「足の指先で床を強く踏みしめられるようにする役割」ということになります。

 皆さんは、「いったい、これがなぜ爪の役割なのか」と疑問に思われることでしょう。ですが、実は爪は「指先に強い圧迫力をかけられるようにする」ためになくてはならない働きをしているのです。それは、題名にも挙げました通り、

  指先の軟部組織(筋肉や皮下組織などの軟らかい肉の部分)が動かないように固定する働き

です。この働きがないと、指先は強い圧迫力に耐えられなくなるのです。


 この第3の爪の役割は、第1・2の役割と違ってわかりにくいことでしょう。そこで、わかりやすく説明するために、ひとまず脱線して、指の構造についてお話ししておこうと思います。


 指というものは、簡単に言えば「硬い骨のまわりに筋肉や皮下組織といった軟らかい肉が巻き付いている構造」をしています。例えるなら、「フランクソーセージに串を刺した状態」か「竹輪(ちくわ)に棒を通した状態」のようなものです。そして、指を動かす筋肉は指の骨にくっついています。つまり、指は

  骨が動かされることによって動く

わけで、指の肉は骨にくっついて動いているに過ぎないのです。先ほどの竹輪の例で言えば、「棒に竹輪を刺して動かす」ようなものです。


 ここで、本題に戻って「指で物をつかむ」ことを想定してみましょう。

 例えば、硬い鉛筆のようなものを指でつかむとしたら、どのようなことが起こるでしょうか。

 見た目には、指の肉が鉛筆をつかんでいるように見えます。ですが、指の肉は単に骨にくっついて動いているだけですので、実際につかむ力は骨にかかっていることになります。

 そうなると、指の肉は鉛筆と骨との間に挟まれて押し潰される形となります。例えるなら、「棒に刺した竹輪を鉛筆に押しつける」状態となるわけです。

 その状態で、加える力を強くしていったらどうなるでしょうか? ここで、皆さんには一度考えて戴きたいと思います。(続く)


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