爪は指先を守る働きをするのみならず、引っ掻いたりほじくったりといった酷使にも耐えられるだけの強さを持っています。この爪の「強さ」はどこからきているのでしょうか。

 爪は人体の中で歯と骨に次いで硬い部分です。

 そのためか、

   爪は骨と同じくカルシウムでできている

と思っている方が多いようですが、違います。

 爪にもカルシウムが含まれてはいますが、ごくわずかで、歯や骨とは比べものになりません。

 実は、爪は皮膚から造られるもので、

  髪の毛と同じ「ケラチン」という蛋白質でできている

のです。

 この「ケラチン」というのは蛋白質の中でもとても丈夫な物質であり、爪の硬さもここからきているのです。

 ウシやシカの角(ツノ)もこの「ケラチン」でできている、と言えば、どれだけ硬いかおわかりになるでしょう。現に、印材として使われるオランダ水牛の角などを見ると、色といい質感といい爪に非常によく似ています。


 では、その爪の硬さは一体どれくらいなのでしょうか?

 固体の硬さ(硬度)を測る指標としては、モース硬度計(下表)が有名です。

美爪通信02















 このモース硬度計では、爪の硬度は2.5に当たります。

 つまり、爪は石膏や岩塩よりも硬いということです。実際、岩塩で試してみると爪でも充分に傷が付けられることがわかります。

 でも、ただ硬いだけでは骨のように折れたり砕けたりして、強い衝撃には耐えられません。

 その点、「ケラチン」は髪の毛のようなしなやかさも併せ持っていますから、割れたりひびが入ったりしにくいのです。

 このように、爪の成分である「ケラチン」は

   硬度と柔軟性を兼ね備えた

まさに爪にうってつけの材質なのです。

(続く)


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