ここ数年ネイルサロンの発展がめざましく、現在も街のあちこちに「ネイルケア」とか「爪美容」を謳った美容室を見つけることができます。女性でなければ入りにくい雰囲気があるためか、中には「男性専門」のところまであるそうです。

 職業としての「ネイリスト」も人気が高く、養成スクールなども活況だと聞いています。爪一般への世間の関心の低さを嘆いている私としては、このように爪に対して高い意識を持つ傾向が見られるのは喜ばしいことです。


 そういったネイルサロンではマニキュアや付け爪による爪装飾が主に行われているのですが、一部では巻き爪に対する矯正治療まで行うところもあります。ただ、そういったネイルサロンで行われる「治療」は医学的には効果が小さく、手技も困難で時間がかかり、しかも費用も高額なものがほとんどです。

 ネイルサロンは医療機関ではなく、ネイリストも医師ではありませんから、注射や手術などの「人体に傷を与える」(専門用語では「侵襲を加える」と言う)行為を行うことは許されません。そのため、やむを得ずこのような「効果の低い」方法で巻き爪に対処しているのであろうと思われます。

 ネイルケアのメニューに載せているくらいですから、それを求めている人、つまり

   需要がある

のでしょう。


 そういった方法の他に、遙かに効果的で時間もかからず、日常生活の不便(「爪を長時間水につけないようにしなければならない」とか「数週間おきに処置を繰り返さなければならない」とかいう注意)がまったくと言っていいほどなく、しかも最終的には費用も安く済む治療法があるのに、なぜ医療機関で治療を受けないのでしょうか?


 これは、結局のところ、

   「医師の怠慢」

と言うに尽きると思います。

 つまり、医療機関で満足のいく治療をすることができないから、その「需要」に対してまでネイルサロンが扱うようになってしまったのです。


 私たち医療関係者は、もっと爪治療を普及させ、巻き爪で苦しむ方たちの需要を満たすべく努力すべきです。また、それと同時に、一般の方々も、もっと爪に関心を払って「適切な爪医療」が広まるよう声を上げていくべきであろうと思います。


 私も微力ながら

   爪の問題は何でも引き受ける

覚悟で診療を続けて参ります。


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                             医療法人健齢会 ふれあい平塚ホスピタル 内科 宮田 篤志
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