巻き爪や陥入爪に対して、爪を抜いたり、爪の角を切り取ったりすることがいかに誤った処置であるか説明しました。

 次にとりあげるのは、陥入爪で見られる肉芽に対する処置です。つまり、出血や排膿とともに見られる肉芽をなくそうとして行う「治療」というわけです。

 ここまでお読みになってきた方であれば、このような「治療」がほとんど無意味であることに薄々気付かれることと思います。

 ところが、実際には陥入爪を訴えて医療機関を訪ねても、このような「肉芽処置」だけされて「それでよし」とされてしまっているような例は珍しくありません。

 そこで、くどいようですが、まず総論として「肉芽処置」が陥入爪の「治療」と呼ぶに値しない処置であることを説明しておきましょう。


 陥入爪は「爪が肉に食い込んでいる状態」です。そのため、皮膚は爪によって破られて「傷ができている」ことになります。

 ところで、肉芽はなぜできるのかと言えば、それは

   傷を治すため

であることは当然です。肉芽には血管が豊富にあり、傷の部分に皮膚を再生するための「材料」を充分に供給できるようになっているのです。ですから、皮膚にできた傷が治る際には、まず肉芽に覆われ、皮膚が再生されるという段階を経ているのです。

 陥入爪で肉芽が生じるのも皮膚にできた傷を治すためであるわけですが、そのままでは決して傷は治りません。なぜなら、

   食い込んでいる爪が邪魔をしているから

です。肉芽が傷を覆おうとしても、爪ごと覆うわけにはいきませんので、爪に沿って肉芽が増殖するだけになってしまい、いつまで経っても「皮膚の再生」の段階に進むことができないわけなのです。

 つまり、肉芽は陥入爪によって起こった「結果」に過ぎないのです。であれば、増殖した肉芽だけをどう「処置」してみたところで、陥入爪の治癒にはつながらないことは明らかです。おおもとの陥入爪を放っておいて、ただ目立つ肉芽だけを消そうとするのは、原因と結果を弁えない、まさに

   本末転倒

な行為と言わざるを得ません。

 陥入爪を本当に改善したいのであれば、「爪が肉に食い込んでいる状態」そのものを解消しなければならないのです。

 まず、ここのところをしっかり押さえておきましょう。


 そこで次に、現在行われている「肉芽処置」には具体的にどういうものがあるのか、各論的に紹介していくことと致しましょう。

 もし、あなたが今受けていらっしゃる「治療」がそれらに当てはまるとしたら、それは単なる「肉芽処置」であり、根本的解決につながり得ないものである可能性が高いと考えられるのです。その場合は、このまま現在の「治療」を続けていくべきか否かをぜひとも慎重に検討されることをおすすめ致します。

 私の「爪専門外来」でも相談を受け付けておりますので、お迷いの場合はぜひご連絡ください。


(続く)

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