これは、流石に現代ではもう行われることのない(と私は信じています)「手術」です。もし今の時代に、仮にこんな「手術」を実行したら、「傷害」として訴えられても文句は言えないでしょう。

 医学の他の分野と同様に、爪疾患に対する手術療法も常に発展・進歩していくものであり、その試行錯誤の中において過去に試みられた「手術」の一つの例が、今回とりあげる「爪を分割する『手術』」なのです。

 ですから、今後皆さんがこのような「手術」をされたりすすめられたりすることはまずないと思われますが、「以前にはこんなこともあった」という知識を得て戴くために今回ご紹介することと致しました。


 ある医師が考えました。

   「巻き爪の原因は、爪が左右から圧迫されるためである。

従って、爪を幾つにも分割して、圧迫力を分散させれば

巻き爪は起こらないはずである」

と。

 つまり、下図のように巻き爪になった爪

爪の分割01
を、次の図のように
爪の分割02
短冊状に縦割りにして幾つにも分割する「手術」をすれば、爪に左右からの圧迫力が伝わらなくなるから「巻き爪が治る」と考えたわけです。

 果たして、実際の結果はどうなったでしょうか?

 何と、分割した爪のそれぞれが全て巻いてしまい、下図のように
爪の分割03
まるでメガホンを幾つも横に並べたようになってしまったのです!

 これはつまり、

   「巻き爪の原因は、爪自身の『丸まる性質』にある」

ということを知らなかったための失敗であったわけです。


 やはり、適切な治療を行うためには正しい原因の理解が重要であるという教訓となる例と言えるでしょう。


(続く)


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